2013年3月3日日曜日

通販事業で古い価値観は捨てろ

こんにちは。
通販コンサルタントの山口です。

きょうは、

通販事業で古い価値観にとらわれて
「会社」をやろうとすると
やがて結果が出なくなっていく

という僕の観察について書きます。

通販というのは、ある面フェアな事業であり、厳しい事業でもあります。

新入社員だろうが社長だろうが、
相手が「あ、ほしい」と感じる広告をつくれば、売れます。

「スーツを着てつくった広告が売れる」というノウハウはありません。
「10年通販をやってる人の広告は売れる」というノウハウも、たぶんありません。

もちろん、10年分の経験がありますから、それは生きるでしょうが、
「10年やってること」そのものに価値はありません。

また、どういった経験をしてきたか?
どういった意識で経験をしてきたか?

によっても、だいぶ変わってきます。

「タイムカード管理のしっかりした人間の広告が売れる」
という話も聞いたことはないです。

僕個人は、昔ながらの「会社ごっこ」がきらいでした。
だから通販にひかれたんです。

けれど、このせまい通販業界に入って感じたのは、
意外と権威にしがみつく人が多い、ということです。

社長は社長風を吹かせるし、
部長は部長風を吹かせる。

年上は年上風を吹かせるし、
先輩は先輩風を吹かせる。

デザイナーはデザイナー風を吹かせるし、
企画は企画風を吹かせる。

毎日毎日、少しずつ、しばられるルールが増えていく。
原点を忘れて、「会社」にしたがっていく。

すると、話が複雑になる。
本質的でない話や関係ばかり増えていく。

有望なスタッフがやる気をなくす本質的な理由は、たいていそこにあります。

「会社」をやろうとしないこと。

昔は、「会社」であることに意味があった時代があったと思います。
モノを作れば売れる時代なら、やることはシンプルです。

それが儲かる術だから、「会社」をやってたはずなんですね。

それが、いつしか自己目的化して、おかしくなってると僕は思います。
むしろ今の状況では、「会社」をやろうとすることでどんどん儲からなくなっていく。

いろんな会社が苦しんでいる理由の一つに、
状況がもうとっくに変わってしまっているのに、
あいかわらず古い価値観でじぶんたちの首をしめつづけてることがあるように思います。

特に、通販は既存の業態でこりかたまった価値観の逆サイドみたいなところからきたはずです。
だからよかったはず。

なのに、少し余裕がでたら、すぐに「会社」をやろうとする。

極論ですが、
たいていは世の中の価値観の逆をやったほうがうまくいく。

通販が伸びてるのは、社会が変わったからです。

選択がもっと個人的なものになってきているし、
お客さんは、本当にじぶんが欲しいものじゃないと、
どんどん買わなくなってきている。

よくある「会社」の一般的な価値観は、一回捨てるべきです。

一方では
「価値観は人それぞれ。会社それぞれ」
という考え方にも、僕は疑問があります。

「状況に応じた答えがある」というのはわかります。

僕らはべつに抽象的な空間で生きてるわけじゃないし、
日本の中で、これだけ状況が限られた具体的な場面で生きてるわけだから、
常に「AよりBの方がいい」ということは、実際に起きているわけですよね?

チラシで2パターンのテストをしても、
その2つの反応がまったくおなじってことは、まぁない。

そういうとき、
「でもさ、それぞれのチラシが、それぞれにいいよね」なんて言わないでしょ?

「それぞれの会社には、それぞれにやりたいことがあるからさ」って言うんですか?

それは幻想です。

個人が「会社化」していけばいくほど、成果からは遠のく。
それはたいていの会社で起きているように思います。

「じぶんの頭で考える」っていうのは、本当に難しいことです。
本人にとって難しいのではなくて、周りがそれをさせないようにしていくからです。



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