2013年2月28日木曜日

通販広告のラフイメージ制作ことが商品企画です

こんにちは。
通販コンサルタントの山口です。


きょうは、

通販で売れる商品を開発するための、
広告制作

の話をします。


さぁ、これから通販をはじめよう、
たとえば化粧品の通販をはじめよう、というとき


みなさんは、どうしますか?


「とりあえず、いい商品はないか?」と、
OEMさんにとりあえず連絡してみますか?

「いま、どんな商品がキテるのか?」を知るために、
ネット検索をしてみますか?

楽天とかヤフーショッピングを覗いてみますか?

アットコスメで人気の商品をチェックしますか?

代理店さんに
「今、どんな商品が売れてるの?」
と聞いてみますか?

あるいは、広告を探して調べてみますか?

リサーチをしてみますか?

信頼できる人に聞いてみますか?

伸びている通販会社の商品を、
そっくりそのまま真似しますか(参考にしますか)?



どれもありえるだろうと思います。


僕のおすすめは

商品開発の依頼をOEMさんにする前に、
「レスポンス広告」を先につくる

ことです。


商品がないのに、どうやって広告をつくるの?と思う人もいるかもしれません。


でも、逆で。

商品がないからこそ、広告をつくります。


どういう商品をつくるかを考えるために、広告を先につくります。
広告のラフ制作、イメージ制作こそが、商品企画そのものです。


通販は、新規のお客さんが入ってこないと、話がはじまりません。
そして、ここが、最も多くの人がつまずくポイントです。

「新規獲得効率」の良い広告をつくること。これが難しい。

しかし、ある程度は「くる」広告がわかっていれば、
安心して、その方向性で商品開発を依頼することができます。

どの価格である程度反応があるかがわかっていれば、
どのくらいの原価までOKか、わかります。

どんなシーズの新しさがいけそうか先にわかっていれば、
素材や成分、処方開発なんかも、自信をもってオリエンテーションできます。

OEMさんだって安心なはずです。

先の見込みがたちますから、
最初、ものすごく小さいロット生産だったとしても、
原価の融通もきいてくれるかもしれません。


とはいっても、
商品がないのに販売するのは、さすがにまずいですよね。

お客さんにも失礼です。

だから、こういう順序をお勧めします。


1 まず、広告をつくる。紙媒体の小枠で十分。
  (B5の1/4くらいで十分)

  (例)
  毛穴の黒ずみをすっきりさせる、他にない○○という成分をつかった洗顔クレンジング

  というように、「ニーズ」(悩みに対する効果)と「シーズ」(他にない○○という成分)
  の部分をはっきりさせておく。

  このとき、事業のシミュレーションは先にしておき、
  売り方も決めておく。(1ヶ月定期コース限定で、初回半額の1900円、など)



2 その広告をオリエンテーションの依頼書がわりに、
  OEMさん複数社にサンプル制作を依頼する

  このとき、小ロットでも対応してくれそうなOEMさんにお願いしましょう。



3 サンプルをつかってみて、
  「ナイス」と思うまで試作をお願いする(3~4回か?)

  じぶんと周りの人だけで十分だと思います。
  お金をかけたリサーチは、まぁ、必要ないかなと思います。

  もちろんお金がかからないのであれば、やるにこしたことはありません。
  お金をかけてもやるにこしたことはないのですが・・・
  やれる範囲でやれることはやっておくのがよいと思います。



4 完成サンプルに基づき、
  20~100個くらいの少数で生産してもらう。
  サンプル同様、手作業で可能な個数でいい。



5 3~5万くらいの紙媒体の小枠で出稿する。
  特に「見出し」を何パターンかテストし、
  本当にそのままの商品コンセプトでOKかチェックする。

  わりと良い原稿(見出し)が出たら、それに基づき、必要であれば商品を修正する。
  修正の必要がなければ、次回からロット1000以上で発注する。



これにもリスクはあります。
やっぱり商品なしで広告をテストしてしまった方が、リスクはない。こちらの。

でも、それじゃお客さんに失礼すぎる。
だから、極小のリスク(コスト)でやりましょう、というのがこの案です。


いずれにしろ、

発想は、「商品→広告」ではなく、
「広告→商品」でいきましょう。


これって、夢もって、つくりたい商品をはっきりもって商品開発するときも、同じですよね。

ただ、紙の広告にしないだけで。

ようするに、

頭の中にはっきりと、クリアに
「どういう商品か?」というのをイメージしてから
開発を依頼しましょう

ということです。






2013年2月27日水曜日

原価よりも、まずは価値を上げる意識をもちましょう

こんにちは。
通販コンサルタントの山口です。



「価値」



って、なんなんですかね…?


「原価が100円のものを1000円で売りましょう」


そう言うと、「え…」という反応があるかもしれません。

気がひける、という感じでしょうか。
僕なら、気がひけますね(笑)

というか、もともと、そういうことはすごく苦手なんです。
ですが、ここではそれはおいておきます。


普通の紙コップ。

まちがいなく原価は100円もしませんよね?

いくらなら買いますか?

100円払って紙コップ一つ買います?買いませんよね?高いでしょう


でもこの紙コップ、
実はAKB48の前○敦○さんが何年間かにわたって愛用してた、
知る人ぞ知るコップなんです。

…とたんにアヤしくなりましたね(笑)

でも、インターネットで全国にこの情報を拡散したら、
どこかに買ってくれる人が出てきそうな気がしませんか?

オークションにしたら、いくらになるんですかね…?


原価は100円のまま、なにも変わってないのに。


ちょっと乱暴な喩えで申し訳ないんですけど、たとえばこれが「価値」です。

「価値をつくる」こと
→「それがほしい人をつくる」
→「顧客の創造」
 (ドラッガー先生)


たいていの人にとっては「単なる紙コップ」にしかすぎないものが、
前○敦○さんを好きな人が見たら、「すごいコップ」になっちゃう。


「汚いコップ」と思う人だっているかもしれないのに。


安売りがまったくNGなわけではありません。
いい商品が安いというのは、
一つの価値ではあります。

僕だって、消費者の一人になったら、
おなじ商品は、できればお得に手に入れたいと思ってしまいます。

けれど、中小企業で仕事で勝負するなら、
原価を上げていい商品にする前に、安売りを考えたりする前に、

まず、「価値をつくる」ことを考えましょう。


もちろん、商品そのものの改良を考えつづけること、それも大事なことです。
その上で。





2013年2月26日火曜日

単品通販事業の指標-売上、そして事業の試算

こんにちは。
通販コンサルタントの山口です。


前回は「費用がなにより大事」という話でした。
今回は、「売上はどうすれば上がるのか?」という話です。

------------------------------------------------------------------
売上=購入者数×単価×回数
------------------------------------------------------------------
になります。

購入者数を増やすためには、

①新規購入者数を増やす
 (限られた予算で)(CPO)

②継続率を上げる(継続率)

が必要になります。

単価を上げるには、

③同一商品の購入個数を増やす(アップセル)
④購入アイテム数を増やす(クロスセル)

回数を上げるには、

⑤継続率を上げる(継続率)
⑥購入間隔を短くする(購入間隔)


となります。


これを、必ずシミュレーションしましょう。
事業を開始する前に、です。


たとえば、
初月の初回購入者数 100
購入単価 5000円
だった場合、売上は50万円ですよね?

そして、
翌月の初回購入者数 100
購入単価 5000円

翌月の継続購入者数 50
継続購入単価 1万円

だった場合、翌月の売上は50万+50万=100万円になりますよね?

ということの積み重ねで、
まずは1年間の数字の推移がどうなるか、
それができたら、じゃあ2年では?3年では?と、
Excelを使って試算してみましょう?

入れ込む数字は、最初はデタラメでもかまいません。

いつ、単月での黒字になりそうですか?
いつ、累計で黒字化できそうですか?

数字を入れてみるとわかるかもしれませんが、
案外、甘くありませんよね…?(笑)


このシミュレーションを怠る方が、すごく多いんですね。


いやだからできないのか、
できないからいやなのか、

よくわかりませんが、たぶん、後者でしょう。

スポーツとかもそうですよね。

僕はサッカーをするんですが、
やっぱり、うまくできないと、それをきらいになる人、多いと思いますね。


でも、このシミュレーション、
もしこれから通販事業を開始するなら、
ぜーーーーったいにした方がいい

です。

するにこしたことないので。
東大の文句言うのは、東大入ってからにしましょう。

●CPO(新規効率。1件あたりの広告コスト)
●継続率
●単価
●購入間隔

そして、前回お話した

●費用

この5つがはっきりすれば、試算はできます。

試算をしてから商品開発、広告実施をしたほうが、
あとで対策が楽になります。

たとえば、CPOの目標を5000にして試算していた。
でも、実際にやってみたら10000だった。

Excelの「5000」を「10000」に変えたら
計画がどう変わってしまうかが、イメージではなく、具体的にわかります。
何年の何月にどのくらいやばくなりそうかがすぐにわかります。

ここで、CPOの低下のために広告を改善するのか?
それともそれは現実的ではないから、「継続率」「単価」「間隔」で対策をうつのか?

それも、じゃあべつの指標をどのくらい動かさないと当初の目標は達成できないのか?
それが即座にわかります。


どんな会社でも、「やばい」という状況はわかるもんです。

ただ、「具体的に、何がどのくらいやばいのか?」が、案外わかりにくい。

すると、対策を間違えてしまうんですね。
これが案外、すごく多い。

そして、現場が混乱していく。そんな流れです。
これ、よくあるんですね。

株に投資するときに、投資効果を試算しないプロなんていますかね?
ところが事業になると、とたんにそれを怠ったりするんですよね。

試算することは、「戦略をたてること」そのものといってもいいくらい大事です。

試算してないということは、
戦略を考えてないということ。

そう思ってください。





2013年2月25日月曜日

単品通販事業の指標-費用

こんにちは。
通販コンサルタントの山口です。


きょうは、通販の「指標」について。

よく、通販の話では、「通販ならではの指標をおさえるべき」という話がありますが、
そんなものは必要ないというのが僕の考えです。

大切なのは

通販に限らない、
基本的なビジネスの指標を
徹底的におさえる

こと。

それだけで、通販に限らず、どんなビジネスでも考えやすくなります。
…ってことで、話をはじめますね。

まず、基本的なこととして、
-------------------------------------------------------------------------------
・利益=売上ー費用
・売上=購入者数×平均単価×平均回数
-------------------------------------------------------------------------------
ですよね。

売上についてはまた今度にするとして、
通販の「費用」には何があるでしょうか?

きょうは、まず「費用」にしぼって話します。
通販に必要な費用は、以下の①~⑧です。

-------------------------------------------------------------------------------
①新規顧客獲得のための「広告宣伝費」
②注文を受けるための「受注費」
③注文を受けた商品を発送するための「発送作業費」
④梱包した商品の「配送費」
⑤お客さんからお金をもらうときの「決済手数料」
⑥「受注」「発送」「決済」「売上」を一元管理するための
 「システム費用」
⑦「受注」「発送」以外で人を雇った場合の「人件費」
⑧「その他」(家賃、PC代、光熱費など)
-------------------------------------------------------------------------------

なので、
-------------------------------------------------------------------------------
利益=売上ー【①~⑧】
-------------------------------------------------------------------------------
利益が2割なら、①~⑧は売上対比8割におさまらないとダメなわけです。

じゃあ①~⑧はそれぞれ何割がよいのか?それが「費用の指標」になります。
それは、事業を開始する前に、必ず決めておきましょう。

「こうすれば実際に利益2割が残る」という基準を先に決めておくわけです。

「売上」と「費用」。

わりと注目を浴びるのは「売上」のほうですが

通販が成り立っている会社と
成り立っていない会社の違いは、
「売上」よりもむしろ「費用」にあります。

「売上」は不確実な要素が多いものです。

ですが、
「費用」は、
ある程度は確実でコントロールしやすい

ということもあります。

つまり、努力した分、確実に成果に結びつくのです。



2013年2月24日日曜日

単品通販で商品原価率が大事な理由

こんにちは。
通販コンサルタントの山口です。


きょうは、通販のコストについてです。

単品リピート通販のコスト構造は

商品原価 ○%
販促費   %
その他費用 20%
営業利益  20%



このなかで一番大切なのが、商品原価○%。


僕は通販売上100億の会社で、
マーケティング部門全体の責任者をやってました。

そのときの経験や他社の分析から、
広告に強い会社と原価率が低い会社、どちらが実際に伸びたか?

それは後者です。
もちろん、どちらも強いに越したことはありません。


広告レスポンスの事情は、
この何年かでまるで変わってしまいました。


10年前は、新聞折込で反応率0.2%とかがありえた時代です。
100,000部やって、200件。


今は、平均0.03%くらいじゃないかと思います。
100,000部やって、30件。


当時、「どんな商品でも、ぜんぶ売れ!」と言われていました。
中には原価率が60%という商品もありました。


利益を残そうとしたら、
原価率の低い商品に販促を集中させるしかありません。


まず、原価率を考えましょう。

高い値段をつけなければならないなら、迷わずそうしましょう。

できれば商品を開発する前には、
「このくらいの価格にしよう」という値段を決めておきましょう。

そうすれば、原価の目標がわかります。

もちろん、みなさんのなかには、
「まず、じぶんが納得できる、世の中に貢献できる商品をつくりたい」
という方もいるでしょう。

それは素晴らしいことです。
本来的にそれは、まったくもって正しい。

それならなおさら、
その商品がみんなに行き渡るために、ぜひ原価率は気にしてください。