2013年5月28日火曜日

ECサイトの貢献度は仕組みで変わる

こんにちは。
通販コンサルタントの山口です。


単品通販をやるなら、
整ったECサイトがはじめから必要かと言うと、
そういうわけでもありません。

ECサイトの必要性や重要性は、
その会社が選択した仕組みによります。

定期コース限定の販売であれば、ECサイトの意義は小さくなります。

インターネットを使うとしても、
初回購入用のランディングページさえあれば成り立ちますし、
ECサイトを整えていくのは、後からでも十分でしょう。

逆に、定期コースではなく、単品中心の仕組みでいくのであれば、
ECサイトの意義は大きくなるでしょう。

単品買いであれば、買い場がなければリピート購入ができないからです。
リピート購入の買い場として、ECサイトはやはり有効でしょう。


僕は、小予算、少人数ではじめる場合には、
ECサイトの意義が小さい仕組みではじめることをお勧めしています。

ECサイトは、制作費にけっこうなお金がかかります。
それが一番の理由です。


また、インターネットをブランディングに利用するという企画もよく耳にしますが、
(Facebookなども利用しながら)
僕は、

・インターネットがブランディングに有効なのは、
 BtoCよりBtoB

・BtoCでも有効な場合はあると思うが、
 それはターゲットを含めた状況による
 (だから慎重に検討するべき)

と思っています。


BtoCの化粧品や健康食品通販でもFacebookなどを利用した販促がされていますが、
良かったという噂はあまり聞きません。

これは、「やらない方が良い」という話ではありません。

やはり個々の状況に即して、慎重に検討された方が良く、
「これからはソーシャルの時代だから」と安易に選択されるのは避けた方が良いと思います。


「それをやるのが適切だから」という理由で選択した方が良いです。




2013年5月27日月曜日

答えは状況によって変化する

こんにちは。
通販コンサルタントの山口です。


むかし勤めていた会社で、「会報誌をやろう」という話になりました。

「商品同梱」か「DM」か、というちょっとした議論がありました。

僕は「商品同梱」を提案しました。

理由は単純で、当時、マーケティング全般の数値を管理していた僕からすれば、
当時の仕組みのまま「DM」にしたら、
レスポンスがかなり高かったとしても、採算があわないはずだったからです。

しかし、結局は「DM」になりました。

「DM」が主張された理由は

「DMのほうが目にとまる」
「インパクトがある」
「DMのほうが反応いいに決まってる」

というものでした。

僕としては、
中心は商品同梱で、
DMは一部のセグメントされた顧客にしぼるというのもアリかと思ってました。

けれど、結局は、「顧客全体にDMを送る」という結論になったと記憶しています。

話はかみあわなかった、という感じです。

「レスポンス」や「インパクト」という点がかなり強調されていたのですが、

仮にレスポンスが30%になったとしても
事業全体の赤字を招いちゃうDMだったら、
そんなのやる意味あんの?

というのが僕の意見でした。

「DMの方がレスポンスがいい」

そりゃそうだろって話です。


結局、ずっと後になってから、
「DM」から「同梱」に切り替えたそうです。

(その頃には、僕はもうその会社を辞めちゃってましたが・・・)


でも、それもけっこうこわいよね、と思いました。

「DM」で仮にも「DM売上」を作ってしまっていたはずなので、
それをあとから「同梱」に変えたら、売上は下がりますよね?

で、そこまで含んでちゃんとシミュレーションしてんのかなってのが、
ちょっと気がかりでした。


「事業」には、常に個々の事情があります。
会社によって費用構造は違いますし、仕組みも違います。
継続率も違いますし、資金規模も異なっています。

一般論としてそのときDMが主張されたことそのものは、べつにまちがってません。

その会社のその状況から考えたとき、
そのタイミングでは、DMより同梱の方が良かったかもしれない。

もちろん、RFMなどでセグメントして施策を分けることもできたかもしれない。

レスポンスがどうと言う前に、
「事業ってのはそもそも何なのか?」っていうのを忘れないでほしい。

これは、「アイデア」の話ではありません。

「アイデア」以前に「分析」すればわかることを、
「アイデア」かのように話し合ってしまうことで混沌とした事例です。

「会報誌は同梱の方が良い」という話ではありません。




2013年5月19日日曜日

通販のイヤなところ

こんにちは。
通販コンサルタントの山口です。


出会い。


「聴くことが大事」という話をよく聞きます。
もちろんそうですし、大元の心理学の理論に問題はないのだと思うのですが、

巷で話題にされるときには、
なんかずれてる

気がします。


「さぁ、どうぞ話してください。わたしは聴きますよ」
そんな人に、人はどのくらい心を開くんですか?

そういう人と話してると、すごくモヤモヤしませんか?

「悩んでいるのは、こういうこと?」とか
「それってどういう意味?こういう意味?」とか

本当に相手をわかろうとしたときって、
質問が増えないすか?

勉強やスポーツと一緒で。

仕事だって、本当に理解しようとしたら、質問が増えますよね?

質問とはいっても、「詰問」になったり、
なにか相手を上から「評価」するような雰囲気があったりしたら、
もちろん相手が心を開くことはないでしょうけれど。


聞いてはいるけど理解しようとはしていない人間の態度は、
リアルなコミュニケーションであれば特に、相手に伝わります。

こういう人間は、話を聞かない人間より厄介です。

通販はリアルじゃないから、そこのごまかしがききます。

相手の気持ちがわからない人間でも
やれてしまうのが通販

です。

エッジをきかせた特徴やストーリーにしぼって拡散することで、
それに強く共感する人を逆に引き寄せる。

という特徴も、通販にはあります。

普通、「愛してる」と言いながら目が笑っていなければ、
相手は混乱します。

そういう親子の関係がつづくと、
子どもが「統合失調症」になる危険性もあると聞きます。

これを、心理学用語で「ダブルバインド」と言います。
この「ダブルバインド」が繰り返されると、相手の心を空虚にしていきます。

ですが、

顔の見えない状況で「愛してる」と言っても、
相手はそれが本当か嘘かわかりません。

だから死活的に傷つくこともないんですが、こわいですよね。
個人的にはそれが、通販のイヤなところだなと思っています。




2013年5月4日土曜日

商品を増やせば売上が上がるわけじゃない

こんにちは。
通販コンサルタントの山口です。


単品通販では、
商品を増やしたからといって
売上が上がるとは限りません。

売上を上げるという話のときに、
よく「新商品」という話が出ますが、
それが効果があるとは限らず、むしろ逆効果の事例も多く存在します。

こういう例があります。

1品販売 平均単価4000 平均購入回数3回

4点に増加 平均単価4000 平均購入回数3回

10点に増加 平均単価4000 平均購入回数3回


何も変わらなかった事例です。

1品から10品に増えれば、在庫コストは上昇します。
同梱やDMも複雑になっていきますよね。

「商品担当制」みたいなことをしていたら、
コミュニケーションも複雑になっているかもしれません。


「商品を増やしたら売上が上がるはず」

そう安易に考えるのをやめましょう。

単価を決めるのは「顧客」であり
「商品」ではありません。

「高いお金を支払うお客さん」だから単価が高いのであり、
「使える商品の数を増やす」から単価が上がるのではありません。

つまり、

「顧客単価」において
重要なコンタクトポイントは、新規

です。

新規でどういう人に買ってもらうかが、
その後のすべてを決めます。