2013年5月27日月曜日

答えは状況によって変化する

こんにちは。
通販コンサルタントの山口です。


むかし勤めていた会社で、「会報誌をやろう」という話になりました。

「商品同梱」か「DM」か、というちょっとした議論がありました。

僕は「商品同梱」を提案しました。

理由は単純で、当時、マーケティング全般の数値を管理していた僕からすれば、
当時の仕組みのまま「DM」にしたら、
レスポンスがかなり高かったとしても、採算があわないはずだったからです。

しかし、結局は「DM」になりました。

「DM」が主張された理由は

「DMのほうが目にとまる」
「インパクトがある」
「DMのほうが反応いいに決まってる」

というものでした。

僕としては、
中心は商品同梱で、
DMは一部のセグメントされた顧客にしぼるというのもアリかと思ってました。

けれど、結局は、「顧客全体にDMを送る」という結論になったと記憶しています。

話はかみあわなかった、という感じです。

「レスポンス」や「インパクト」という点がかなり強調されていたのですが、

仮にレスポンスが30%になったとしても
事業全体の赤字を招いちゃうDMだったら、
そんなのやる意味あんの?

というのが僕の意見でした。

「DMの方がレスポンスがいい」

そりゃそうだろって話です。


結局、ずっと後になってから、
「DM」から「同梱」に切り替えたそうです。

(その頃には、僕はもうその会社を辞めちゃってましたが・・・)


でも、それもけっこうこわいよね、と思いました。

「DM」で仮にも「DM売上」を作ってしまっていたはずなので、
それをあとから「同梱」に変えたら、売上は下がりますよね?

で、そこまで含んでちゃんとシミュレーションしてんのかなってのが、
ちょっと気がかりでした。


「事業」には、常に個々の事情があります。
会社によって費用構造は違いますし、仕組みも違います。
継続率も違いますし、資金規模も異なっています。

一般論としてそのときDMが主張されたことそのものは、べつにまちがってません。

その会社のその状況から考えたとき、
そのタイミングでは、DMより同梱の方が良かったかもしれない。

もちろん、RFMなどでセグメントして施策を分けることもできたかもしれない。

レスポンスがどうと言う前に、
「事業ってのはそもそも何なのか?」っていうのを忘れないでほしい。

これは、「アイデア」の話ではありません。

「アイデア」以前に「分析」すればわかることを、
「アイデア」かのように話し合ってしまうことで混沌とした事例です。

「会報誌は同梱の方が良い」という話ではありません。




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