2013年7月30日火曜日

男性は「根拠」、女性は「リアリティ」

こんにちは。
通販コンサルタントの山口です。


世の中に流布している「ダイレクトマーケティング」のノウハウには、
次の2つの特徴があるように感じています。

①アメリカの事例に基づいている
②なぜかBtoB色が強い

②は、アメリカの、英語の論理構造の影響を受けているせいな気もします。

なので、女性むけBtoCの通販広告を考える場合は、若干気をつける必要があります。

たとえば、キャッチコピー1つをとっても、

・ベネフィットを訴求する
・簡単、はやい、すごいを訴求する
・リアリティがある
・ボディコピーを読みたくなる

っていうようなところは変わらない要素だと思うんですけれど、
表現が微妙に変わる感じがします。


男性は根拠を強く求めますが、女性はリアリティを求める。

それが事実であれば、論理的に正しいかどうかはさほど問題にならない。


そういう傾向が、女性むけのBtoC広告にはあるように感じています。

逆に、

はじめから論理的な説明をされてしまうと興醒め

してしまう。


たとえば、「シミ」に効果的な商品があったとします。

こんな商品です。


「これを1粒寝る前に飲むだけで・・・簡単
 たった7日で           ・・・短期間
 シミが消えて、真っ白になる  ・・・ベネフィットとその大きさ」


男性は、「なぜ?」を気にするかもしれません。

「どんな商品なのだ?」
「どんな成分なのだ?」
「どんな設計なのだ?」

というように。

なので、研究者による効果の研究結果などの方が気になるかもしれません。


しかしながら、
女性対象のBtoCの場合、
研究結果がどう、ということよりも、

「理屈はどうかしんないけど、
私は実際そうだったし」

という話のほうがレスポンスが高い傾向にあります。

「リアリティ」に確信をもてなければ、
理路整然とした説明は聞いてくれない。

それが女性の傾向のように感じています。

アメリカのダイレクトマーケティング理論は、
気をつけて使わないと、「おっさん」にしかウケません。


アメリカのダイレクトマーケティング理論が日本においてそのまま当てはまるのは、
BtoBの通販(ビジネス相手が男性であることが多いし、そもそも目的が違うから)や
ビジネスマンむけの教材とかのケースが多いように感じています。




女の子です

2013年7月5日金曜日

あなたのモチベーションを上げる、こんな方法

こんにちは。
通販コンサルタントの山口です。



ダイレクトマーケティング専門の本ではありませんが、
組織についての本をお勧めします。


『ダイアローグ 対話する組織』

中原淳・長岡健 2009年 ダイヤモンド社



昔、教育関連の広告代理店にいたときに、

「どうすれば
人のモチベーションは上がるのか?」

をテーマに、
高校生用の「進路学習教材」を作った経験があります。

そのとき、ご教授頂いた大学教授の先生と高校の進路指導の先生の研究成果と、
この本が言っていることは同じです。

古い組織
古いコミュニケーション

そういったものが、なぜ今、機能しないのか?
それがこれを読むとわかります。

そして、

新しく成果を上げられるコミュニケーション、
あるいは、組織のあり方を考えるヒントになると思います。


特に、ダイレクトマーケティングを扱う会社には合っていると思います。

ちょっとだけ引用すると、

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2007年に東京大学で実施した
社会調査「ワークプレイスラーニング調査」の結果を見てみますと、

メーリングリストの利用、グループウェアの利用、
社内SNSの利用、社内ブログの利用、ひいてはITの普及など、
情報化に関連するさまざまな項目と、組織内のコミュニケーションの間には、

ごくごく弱い相関、あるいは無相関、
はてにはマイナスの相関という結果が出てしまいます。

(中略)

「組織内の情報化を進めれば、組織内のコミュニケーションは向上する」
ということは、どうも疑ってかかる必要があるようです。
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組織としての価値観を共有するためのさまざまな試みが随所ではじまっています。

失ってしまった「結びつき」「絆」「結束」を取り戻そうと、
社内運動会や社員旅行、独身寮などを復活させる企業がちらほら出てきましたし、
職場の親睦を深めるための飲み会に予算をつけるケースも増えているそうで、

価値観や行動規範が何も言わなくても伝わる古き良き日本の家族的な企業像、
そして昔ながらの「飲みニケーション」のよさが見直されているともいえます。

(中略)

しかし、社内で価値観を共有し、社員の結束力を高めるため、
会社の命令で半ば強制的に親睦を深めるのは、
はたして今のビジネス環境にマッチしたやり方なのでしょうか?

そもそも高度経済成長期に社員が価値観や行動規範を共有できたのは、
社内運動会や飲み会のおかげだったのでしょうか?

年功序列と終身雇用、右肩上がりで給料が上がっていき、
ずっとここで暮らしていけるという家族主義的な企業観が社会全体に広がっていた。

悪く言えば、組織自体が企業に隷属する個人の集団だったからこそ、
運動会も飲み会もコミュニケーション手段のひとつになり得ただけではないでしょうか。
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そもそも「結びつき」「絆」「結束」といったキーワードに代表される
家族主義的なつながり、緊密なコミュニケーションが増せば、
問題はすべて解決し、よい職場が生まれるのでしょうか?

(中略)

たとえば(中略)一橋大学の研究グループの行った社会調査は、
そのことの一部を示してくれます。

(中略)

調査結果によると、
職場内の人間のつながり、つまりは社会ネットワークが発達していればいるほど、
根回しが必要になり、組織の「重さ」が増すことが明らかになっています。

組織学習研究の中では、緊密なコミュニケーションよりも、むしろ
批判的なコミュニケーションがオープンに行えるかどうかが重要である、
という知見も出ています。

(中略)

①精神的な安全
②違いの尊重
③新しいアイデアの許容度

などに注目しています。

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「創造的理解にいたる継続的な相互作用のプロセス」とみなすコミュニケーション観

(中略)

話し手と聞き手が固定的な役割にとどまることなく、
あるテーマに基づいて相互に入れ替わりつつ語り合い、
双方の意見を少しずつ変えていきながら共通の理解に到達していく・・・

そこに「対話」(ダイアローグ)というコミュニケーションが浮かび上がってきます。

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「社会構成主義」という、ちょっと小難しい社会心理学の考え方に準拠しています。

ちなみに、

この書籍のテーマである「対話」のアンチテーゼとされているのが、
「道管メタファー」という従来型のコミュニケーション

このコミュニケーションにかなりの問題があることは、
むかし、高校生の進路指導のサポートをする仕事をしていたときに強く感じました。

気が向いたら手にとってみてください。